採用から育成・評価へ広がる社会人基礎力
📅 2025年8月21日
採用から育成・評価へ広がる社会人基礎力
ITエンジニアに求められる「数」ではなく「質」へ
社会人基礎力(ソフトスキル)は採用だけでなく、育成・研修・評価の基盤となります。学び続ける力、考え抜く力、チームで働く力の3つに分けて解説します。
1. 学び続ける力 — 何を学ぶか/どのように学ぶか
専門職であるITエンジニアにとって、新しい知識の獲得は生命線です。技術のライフサイクルは短く、キャリアの中での方向転換(キャリアチェンジ)も視野に入れる必要があります。
リセット志向ではなく、過去の経験と能力を統合して活かすこと。偶然の出来事も含めてキャリアをつなぎ、ストーリーを見出す姿勢が求められます。
- 学習テーマの優先順位付け(事業・顧客価値との接続)
- 学び方の設計(アウトプット前提・小さく検証)
- 経験の統合(過去資産×新規スキルの掛け算)
2. 考え抜く力 — Whyから始め、AIと共創する
議論の途中で「それっぽいHow」に固執しがちですが、現場で評価されるのはWhyの深掘りと課題発見です。解決に向けた計画立案と、既存の発想にとらわれない新しい解決策の創出が求められます。
生成AIが普及した今、人間の強みは次の3つに集約されます:
- 現場の気付きや文脈を整理・言語化し、AIへ適切にインプットする力
- 有用な切り口を与え、アウトプットの観点を設計する力
- 出力を鵜呑みにせず検証し、最終責任を持つ力
3. チームで働く力 — 傾聴・状況把握・利他性
面接や現場で重視されるのは、傾聴力と状況把握力、そして専門外の人にも伝わるコミュニケーション力です。依頼に対して即「不可能」と突っぱねるのではなく、Yes, but…で共に解決策を探る姿勢が信頼を生みます。
価値観は「エンジニアファースト」から顧客ファーストへ。スキルが突出していても協調性を欠くブリリアントジャークは評価されにくく、組織全体で成果を出す力と利他性が選ばれる時代です。
- 相手の立場・文脈の想像と合意形成
- 専門外にも伝わる説明(通訳コストゼロ)
- 顧客価値とチーム成果を最優先
まとめ
社会人基礎力は個人・企業双方に必須です。個人は自身の力を示し、企業はそれを育成する。この両輪が競争力を生みます。