車検設備アライメントテスタ
🚗 車検設備アライメントテスタとその調整方法
アライメントテスタは、車両のホイールアライメントの状態を正確に測定する装置です。
アライメントとは「ホイールアライメント」や「四輪アライメント」とも呼ばれ、タイヤの取り付け角度や整列状態を指し、走行性能や安全性に深く関わる重要な要素です。
本記事では、アライメントの基本から調整方法、各角度の意味まで詳しく解説します。
アライメントとは?
アライメントは主に以下の4つの要素で構成されます:
- トー角(Toe)
- キャンバー角(Camber)
- キャスター角(Caster)
- スラスト角(Thrust)
これらを正確に調整することで、車両は安定して真っ直ぐ走行でき、タイヤの偏摩耗も防止できます。
一般的な整備工場では、主に「トー角調整」をアライメント調整と呼んでいる場合が多く見られます。
アライメント調整の必要性
アライメントがずれていると、車両が左右に流れる・ハンドルが取られるといった症状が現れます。
また、タイヤが偏摩耗しやすくなり、寿命の短縮や燃費の悪化にもつながります。
よって、定期的な点検と調整が重要です。
アライメント調整のメリット
- 直進安定性が向上し、運転疲労が軽減
- コーナリング時の安定性が向上
- タイヤの偏摩耗防止と寿命延長
アライメント調整の手順
- 車両をリフトやテスタ上に水平・中心にセット
- 専用ゲージで各角度(トー、キャンバーなど)を測定
- 基準値と照らし合わせて必要な箇所を調整
トー角
車両を上から見たとき、タイヤが内側を向いている状態をトーイン、外側を向いている状態をトーアウトと呼びます。
トー角は操縦安定性に大きな影響を与え、オーバーステアやアンダーステアの傾向を左右します。
キャンバー角の種類
- ポジティブキャンバー: タイヤの上部が外側に開いている状態。
- ネガティブキャンバー: タイヤの下部が外側に開いている状態。
- ニュートラルキャンバー: タイヤが垂直になっている状態。
キャンバー角の調整方法
キャンバー角を適切に調整することで、コーナリング時のグリップ力や直進安定性を最適化できます。調整方法としては以下のような手段があります:
- アッパーマウントの変更
- ロアアームの調整
- 偏心ボルトの使用
キャスター角
ステアリング軸(キングピン)の前後の傾きを表します。
キャスター角が大きいほどキャスタートレールが生まれ、ハンドルの戻りが良くなり、直進安定性が向上します。
スラスト角
後輪の左右のトー角の差によって決まる角度で、車両の直進性に影響します。
一部車種では調整機構がない場合もありますが、診断上は重要な指標です。
アライメントテスタ装置の構成
- 距離測定センサ(Perceptron、Gocator)
- ナットランナー(Atlas)
- 標準制御盤(Toyopuc、Sharp)
- ロボット・サーボモータ(安川電機、川重など)
- アライメント測定ソフトウェア
制御・ソフトウェア環境
PC系: 使用言語:C#、VB、VC++
制御系: PLC(Toyopuc、Sharp)、安川製サーボモータ・ロボット、ナットランナー用制御プログラム
まとめ
アライメント調整は、安全性・快適性・経済性を高める重要な整備作業です。
定期的なチェックと適切な調整により、車両本来の性能を最大限に引き出しましょう。